ベルギー王立美術館展 |
プラド美術館展に次いで、西洋美術展自体2度目のど素人だが、感じたことを。
プラドでは、ひたすら緻密な描写に魅入った。今回も、アドリアーン・ファン・ユトレヒトの『オウムのいる静物』、ヴイルヘルム・シューベルト・フォン・エーレンベルクの『アントウェルペンのシント・カルロス・ボロメウス教会内部』に感動した。オウムの・・・は緻密さ+光のメリハリ、教会内部は、どうしても理解しがたい奥行き感がそこに存在し、何度も見返してしまった。写真よりリアルなライブ感って何なのだろう?
しかし、そんな緻密さ以外の発見が今回のサプライズだった。
ポール・デルヴォーの『夜汽車』。自分の感性にはドンピシャだ。
リアルと不思議が絶妙なバランスでミックスされている。テイストとしては鈴木英人的なオタク感もあり、押井守的な何かも感じる(^^; (マジかよ、恥ずかしくなってきた・・・)
ルネ・マグリットの『光の帝国』。こちらはより緻密なテクニックの下、光の不思議がてんこ盛りだ。気持ちいい。
とまぁ、ベルギー王立美術館展を終わり、もったいないから常設展も見るわけだが、実はこれの方がサプライズだった。(タダなのに(^^; どのみち本日無料入館日だった。なんか損した気分?)
例によってど初心者の自分は、素人くさいタッチだの、理解不能だのと思って仏像の円空の時と同様、軽く流して行こうとしたモネ・ゾーン。 デザイナーの友人に、影に黒を使わないで補色を使うのだとか教えてもらいつつも、そーか、色使いか、色を楽しめば良いんだ、(それ以外無いか、自分にとっては・・・)などと一人合点しつつ絵からどんどん離れていき、振り返ったら見えました(^^; だまし絵の世界?
はて、と先ほど足早に通り過ぎたマネの絵を、遠くから振り返れば、そこにはちゃんとした絵が!? さっき近くで見た時はヘタウマ小学生の絵だったのに・・・
省略の美の究極? 緻密さとは逆の方向へ向かい、人間の目、脳の補間を使って映像を組み上げる? どんな計算の下に成り立ってるんだ、これらの絵は?
印刷の網点といっしょ? 視点をぼかしていくと浮き上がる3Dといっしょ? なんていうバカな発想はさておき、なんとなくアートの流れとかそんなのが分かった気がした1日だった。
仏像なんかもいっしょなのかな、と。
そこまで考えて、ふと、緻密に描き込まれた絵を離れて見て細部がボケていくのと、独特な荒いタッチの絵を離れて見て細部が見える気がするのと、何が違うんだろ? と分からなくなった。
ま、人間、脳はうんと刺激して使わなあかん、ということとしよう。
それにしても、最後に登場するピカソの絵はまだ自分には敷居が高すぎた・・・