台風15号:なかなか広まらなかった千葉の深刻な被害実態 |
・なぜ現場を、被害状況を、我先にと取材して報道してくれないのか?
・なぜ小泉進次郎氏に楽しそうに群がっているのか?
台風15号に対する報道の姿勢があまりにも不思議だったので、とりあえず数日間のメモを残すことにした。
ここ数年、まるで映画のような猛烈な台風が石垣島や海外を襲い、西日本は豪雨に見舞われ・・・
昨年は大阪などがすさまじい台風21号の被害を受けた。北海道では地震からのブラックアウトも。
そういう状況を見たら、明日は我が身と他人事ではいられないと思うのだが、自分の周りにはそう思っている人はなぜか少ない。もしかしたらその原因は、自分に関係のない地域の情報の、首都圏での報道のされ方にあるのかもしれない。もちろん後述のように、ほとんどの人が自分から知ろうとしていないように見えるのだが、それも報道に連動したものなのかもしれない、、、
しかしついに身近なところにも顕れてしまった2019年の台風15号は、千葉県に大変な被害をもたらした。
■2019年9月8日(日)
週半ばの予報では、台風15号がこの日の息子夫婦の結婚式&披露パーティーを直撃しそうだったのだが、究極晴れ男親子なのできっと心配ないと信じると、すべてを終え、カミさんの両親を家に送り、いろいろ話をして10時過ぎに帰っても、天気はギリギリ持ちこたえた。京葉線は21時から計画運休だったが、絶妙なタイミングで招待客も帰れたはず。
・・・「非常に強い」台風は、東京湾を夜中から未明にかけて通過することに・・・
■2019年9月9日(月)
寝るまでは静かなものだったが、夜中3時くらいからの風雨はハンパなかった。進路はどんぴしゃで、ほぼ台風の目に入ったときの静けさは久々に味わう不気味さ。
それ以前は北からの風。その後、回り込んで南風。結局6時過ぎまで寝れなかった。
目に入る前の方が風の迫力はスゴかった。それが北向きで玄関側だったので、窓も小さく、ウチの周辺はまだ良かったんだと思う。それでもドアの上からも雨が吹き込み、玄関の半分くらいまでは濡れた。
北側には駐車場と駐輪場があるので心配だったが、ハスラーとシェルパに被害はなかった。バイクカバーは完全にめくれて泥々になったが。周りの自転車はほぼ全て倒れていた。
台風の進路の東側になるよりはど真ん中の方が被害が少ないことを実感した。この勢いで南側からの風だったら、ベランダの窓が割れることもあったかもしれない、、、
ただ、今年は毎年不安を感じつつ先延ばしにしてきたガラスの強化(後述)を施したので、少しは安心できたが。
この日は、仕事を休んで都心で午後からセミナーを受ける予定だったが、総武線が動き出すとなんと津田沼駅が検索1位に。駅へと続く見たこともない大行列。どこの駅もとんでもないことになっていて、京葉線を使っても昼過ぎに都心に出るのはムリそうなので、諦めてセミナーはキャンセルした。
自宅周辺では公園の杉などが2本倒れ、近くのマンション屋上の柵が崩壊していた。
※あとで調べると、9時半時点の停電は関東で約90万軒。最大約93万4900軒。
東電:9日中の復旧困難。
■2019年9月10日(火)
電車はまだ一部乱れていたが、朝から仕事へ。千葉を中心に大規模な停電が長引いているので、被害が気になり出す。
しかもこの日、今頃になってこの夏一番の暑さ。10日佐倉市最高36℃予想。船橋35.6℃は9月の観測史上最高。
以下、一向に軒数が減らないように見えたので、しばらく停電戸数をメモることにした。
10日10時頃、いまだ千葉県内で574500軒停電。
(昼過ぎ566800、18時過ぎ541200、23時過ぎ511800、11日6時462000、13時430300、14時433100、18時410600、12日6時半340500、13時半331000、13日0時過ぎ232900、7時201100、16時半186800、19時183700、15日3時前135200、16日7時89900)
10日10時頃、わが花見川区でも8400軒停電。
(昼過ぎ変わらず、18時過ぎ8300、23時過ぎ7700、11日6時3400、13時3400、14時変わらず、18時変わらず、12日6時半変わらず、13時半変わらず、13日0時過ぎ変わらず、7時1700、16時半変わらず、19時ついに解消!)。
※参考:千葉県人口622万人、東電契約口数398万口
→ 11日18時、いまだ千葉県の1割強の世帯で停電しているということ、、、 花見川区は減らない。後回し?
※東電:11日中に全面復旧の方針を発表。この後、時間とともに見込みをどんどん変更、、、
報道がほとんどないのでツィートを見て知ったが、エアコンどころか、場所によっては携帯電波も圏外。コンビニ、スーパーは手計算で対応したとしてもすぐ売り切れ、ガソリンも食料も調達困難。断水の地域(停電で浄水場からの送水停止)では、水も、、、 給水車に長蛇の列、取水量が一人1.5lや6lと制限される地域も・・・
信号が消えているのも、流通などに影響しているのか? 佐倉もかなりの停電で大渋滞とのこと。
人によっては311よりひどい状況だと・・・ 電波が入らないと、情報の発信どころか、収集もできない。
五井駅でも朝は入場規制があり、直通電車の運休に加え、電力不足で本数削減とのこと。
停電や断水といったことより、鋸南町などの被害自体がひどいらしい。
家屋の損傷がかなりある模様。その辺が自分の見ている限り、ほとんど報道されない。リアルタイム検索やまとめサイトなどを、自分から能動的に取りに行かなければ、困っている人たちの現状の情報、被害の実態が耳に入らないのだ。
■2019年9月11日(水)
被災地の情報を知りたいと見た10日21時のNHKニュース、なんとトップニュースは内閣改造?、、、 その後の台風の内容も薄いものだった。11日にはやっと、と思ったら、トップでちょっと停電の現場から中継、詳しくは後ほど? で、実際のトップニュースはまた内閣改造、しかもどーでもいい内輪情報。昨日の批判に対応して最初にちょっとだけ入れとけや、的な??
■2019年9月12日(木)
なぜ信号と街灯が停電で消えてしまうのか? というのは、311のときから不思議で仕方ない。幹線の信号と街灯くらい、命を守るため、電源のバックアップを考えないのだろうか?
あれから8年半、東京くらいはどこかでそうなっているのだろうか、、、
先日録画して、途中になっていたNスペ「巨大都市大停電」を、思い出して観てみると、まさに今房総で起こっていることが想定された内容だった。断水、食料の不足など・・・ これが東京で起きた場合はいったいどうなってしまうのか、、、
しっかり報道されないと、これほど近くで起きていることなのに東京では他人事といった空気。みんな情報に対して驚くほど受け身なのだ。仕事中、周りの人に聞いてみるが、残念ながらほとんど千葉の被害状況を知らない・・・
なぜか相変わらず東京は運がいいが、いつまでもこの調子で乗り切れるのか、、、
千葉市役所がAmazonのほしい物リストを使った支援を求めるのをカミさんが見つけ、せめてもとブルーシートを2つ送ることにした。屋根などの損壊がひどく、ニュースで役所がブルーシートを配るのを見たからだが、千葉市で良かったかな? でも、千葉市長のフットワークの良さがあれば、他の被災地にも・・・ この時点で、南房総市は支援物資がさばききれず、受け入れを中止していたと思う。被災した市町村が多すぎる。どこか支援の統括した窓口があれば良いのだが・・・
■2019年9月13日(金)
ようやくニュースで実情が取り上げられ始めたが、いまだインフラがメイン。
夜、東電が被害の激しい地域は2週間以内の復旧を目指すと発表。それとともに、8時45分のNHKニュースの前に、3分の千葉の停電ニュースが放送された。
※※※ここでわが家は当初よりの予定通り、長野の実家へ・・・ もう誰も住んでいない家で、2泊3日の電気だけの生活。浦安で被災したときも電気だけは生きていて、ずいぶん助かったが、ここで再現するとは。テレビも観れなかったため、ニュースからも遠ざかっていた。ただ、長野の人の方が東京の人より、千葉の被災状況に興味があるように思えた。※※※
■2019年9月16日(月)
久々に見たニュース。追い討ちをかける大雨もあり、ニュース23でかなり家屋の被害について報じるてはいるが、ここに来て初期の報道が手薄になったことの言い訳を始めた。被害の大きさが想像出来なかった、と・・・ 報道は想像よりまず取材ではないのか??
■2019年9月17日(火)
これでもけっこう気になって被災地の情報を調べているつもりだった。しかし結局自分も、山武市などは停電しているものの、家屋の損傷とかはほとんど無いのだろうと決め付けていたようだ。
311のとき、ひどい液状化被害は日本中で起きていたが、浦安ばかりが連日メディアに取り上げられた。あのときから、報道は何も進歩していないらしい、、、
■2019年9月18日(水)
ネット上のニュースでは、台風の被害の報道が少ないことや、内閣改造の報道などに対する非難がようやく出てきたが、、、
この台風による家屋損壊の数も、1週間以上経っていまだ把握できておらず、千葉県で2万棟を超える見通しと本日発表。被害のひどい地域の数字は未反映なのだ、、、
ちなみに、311での千葉県の家屋損壊は浸水含め約6万5千棟だった。
(県内の建物被害は4万棟に達する可能性があるとの続報(9/20)。館山市だけで2万棟の予測。)
■2019年9月19日(木):まとめ
本日17時、千葉県の停電軒数は28800軒。
スーパー台風でなくてもこうなるということは、いつもあまり伝えられない各地の被害状況まとめなどを見て分かっているつもりだったが、それもやはり実際に身に迫るまではまだ「他人事」だったのかもしれない。
ただ、こうした情報に日々進んで目を向けることで、わが家も備えなくてはいけないと思い、対策を考えてきた。雨戸も何もなく、海からの南風が直撃するベランダの窓が割れるのを防ぐには、、、 結局、オーダーカットの強飛散防止フィルム(100μ)を貼った。ケチって上半分だが。
これも毎年対策しようと調べつつ先延ばしにしてきたことで、引っ越すつもりが先延ばしになってしまったゆえに、重い腰を上げて行ったことだ。
311のときからささやかれてきたが、オリンピックの建設ラッシュによる復興への影響は明らかにしてほしい。
311以降に災害に遭った全国各地の復興が遅々として進まないというニュースをたまに目にするが、それは断片的な情報でしかない。離れた地域であればなおさらで、事後の問題・課題をもっとたくさん伝えてほしい。次のためにも。
ちなみに、今、圧倒的に足りていないのはブルーシートを張れる職人ということだが、次の段階に移ると建物再建に関わる人手、資材が不足するのだろう、、、
今自分の知りたい台風に関する情報(今回のものに限らず)は、以下の2つ。
・台風の進路と被害の大きかった地域の位置関係。進路のどれくらい東側が一番ひどいのか。あらかじめ分かれば覚悟も違ってくると思う。調べれば出てくるのかもしれないが、、、
・マンションなど、雨戸のない大きな窓の対策方法と実際の被害状況、割れたときの有効な対処法。
窓の対策を真剣に考えるようになったのは、たぶん2015年の、石垣島で観測史上最高の瞬間最大風速71メートルを記録した台風15号の被害を知ってからだと思う、、、
昨年くらいからネット上に、ようやく自分にとって有用な情報が目に付くようになってきた。それでも結局ガムテや養生テープ、ダンボール、飛散防止フィルムや防犯フィルムといった情報しかなく、いろいろ考えつつも対応を先送りにしてきた。
割れてこんな目に遭った、という情報も少しはあって参考になるが、割れた後こんな機転で風雨の侵入を防げた、とか、こんなものでバリアを作れる、などという情報がいまだにほしい・・・
ベランダの、隣との境の隔て板は、今まで台風で2度壊れているし、アルミのフレームが折れてしまったこともある。窓が無事なのは運が良いだけで、同階の別の部屋では、実際に壊れた隔て板が窓を割ったらしい。それでなくとも、昨年のフィリピンのスーパー台風の被害を見れば、何もせずにいられるわけがない、、、
報道され始めたら始めたで毎日千葉県ばかり、というのも問題だ。伊豆諸島などや、台風13号の宮古島など、しっかり報道されることが「他人事」感を薄め、支援にも防災にもつながると思う。
ただ、被害を伝えるだけで終わってはいけないのではないかとも、思い始めている。被害のなかった施設や、早急に再開できた施設などは今まで通り利用してもらえなければ困るわけだし、、、
復興を妨げないためには、ポジティブな情報とネガティブな情報の両方がバランス良く必要と分かった。そんなスマートな情報の提供を専門の方々に期待したい、、、
●9月22日(日)追記
かなり久しぶりの「道の駅 あずの里いちはら」へ。まずは五井へ向かう。大通り沿いは看板など壊れているが、五井の丘に建つ家々は、一部の柵などを除きほとんど損傷ないように見えた。ランチではお気に入りの「魚べい」は賑わっていたし、ともえのキムチもいつも通り買えた。
その後、道の駅 あずの里を目指す。田畑の広がる平野に出ると、途端にブルーシートが目立ち始める、、、
ブルーシートがかかっていなくても、屋根が破損している家が多い。
営業中で団体客も訪れるあずの里自体は問題なく、周囲も荒れた形跡はなかった。ただ、地元の農産物はほとんどなかった。
「わくわく広場」という直売所が台風の影響で閉店しているのも、農産物の被害ゆえだろうか、、、
帰りは五井の海側の住宅地を通ってきたが、こちらでも屋根の損傷が少なからず見受けられた。中には壁がなくなっているものも、、、
今さら知ったが、2りんかん市原店もガラスが割れ、シャッターなども壊れたようだ。停電も数日間に渡りしていたらしい。
巨大な台風の中で、わが家から直線距離で20kmも離れていない地域でこれほどの被害。台風の目からほんの数km東にズレただけでこれほどの差となるのか? それとも他にも何か被害が大きくなる要因があるのか?
台風による数え切れない住宅の損傷を目にして、一刻も早く安心して暮らせるようになってほしいと願うとともに、やはり頭をよぎるのは修理業者の不足、、、
すでに報じられること自体少なくなっているが、今被災している人たちの助けになるような、また今後の防災にもつながっていくような賢い、格好良い報道を期待したい。興味を引けるときだけの「報じ逃げ」は、いい加減やめてほしいものだ。
たとえば佐賀の水害、油の処理も含め、どうなったのだろうか、、、
・・・とりあえず以上。まだ追って修正・追記するかもしれない・・・
自分たちで何とかしようとすることは、助けのあるなしに関わらず、その後の展開の大きな差になるよね。
今回、ニュースと現実との違和感があり過ぎて、つい余計なことを書いてしまった。ガマンできなくて、、、
しかも、被災した方々へのお見舞いのことばもなく。申し訳ない、、、
ただ、房総に行くのを当分控えようと思っていたが、考えを改めるよ。行けるところには行こう!
ちなみに、災害と関係ないけど、自分も諸々模索中です。何とかしよう、お互い。