第14回 ウィルチェアーラグビー 日本選手権大会 (12/15) |
『この競技はタックル(相手の車いすに自分の車いすを衝突させたり引っかけたりすること)により相手の攻撃や防御を阻止することが認められています。パスを回し、タックルを駆使して、ボールを持ったオフェンス側の選手の車いすの2輪が、バスケットボール用コートの両側に設けられた8mのゴールライン上に達するか通過すると得点になります。』
(・・・パンフレット表紙より)
観戦したのは3日に及ぶ大会の最終日、この日参加7チームそれぞれの順位が決まる。
ポートアリーナの1ブロック先に「最大400円」(やすっ!)のコイン駐車場があるので車をそこに停め、会場に着くとすでに3位決定戦と5位決定戦の最中。観戦席(2F)に上がってしまうと、どっちが何の試合か分からなかった。受付で記名した際、聞けばよかった・・・
初めて観るウィルチェアーラグビーは想像していた通りの迫力。ラグビーも観たことのない自分だが、ルールはシンプル。受付でもらえるパンフレットには、ルールや車イスの形状の違いなどについても書いてあるので、その場で簡単に勉強してでも十二分に楽しめる。車イス同士がぶつかり合う音は半端ないものだが、基本的には体ではなく、車イスがぶつかり合うので、不思議と野蛮なイメージもなく、すっと入り込めた。
ただ、最近低下気味のわが視力では、審判席のスコアボードが見えない(^^; 視力に自信がない人は、双眼鏡を持参しよう。
でも点差が分からないと、選手の焦りや意図が見えずドキドキ感が目減りしてしまうので、運営側が大きめのスコアを用意してくれることを望みます・・・
決勝戦前に会場を練り歩き中の郷愁漂うチーバくん・・・
(誤解なきよう追記:この瞬間以外はどこへ行っても大人気(^^;)
今回この大会を観に来たのは、たまたま市のイベント告知を見たカミさんが教えてくれたから。
チーバくん、なぜつぶやかなかった!?(^^;
決勝戦は日本選手権大会 第12、13回を連覇し、3連覇を狙う「Okinawa Hurricanes(オキナワ ハリケーンズ)」対、第7回から第11回まで5連覇し、再びの王者奪還を目指す「BRITZ(ブリッツ)」。
試合では、否が応にも盛り上がる期待をまったく裏切らない車イスさばきに釘付け。試合では負けてしまったものの、Okinawa Hurricanes のニック選手や仲里選手の車イス操縦技術(なんて言うんだろ? ドリブルは10秒に1回すれば良い・・・)に何度も魅せられた。
敵の車イスの間を、止まり、回転し、縫ってかわす滑らか、軽やかな動きは、キリコの操るAT(『装甲騎兵ボトムズ』)とイメージが重なり、「カッコいい~・・・」と思わずつぶやいてしまうほどのもの・・・
せっかく許可をいただいて写真を撮ったものの、自分のE-510+暗い望遠レンズではまともな写真が撮れなかった、、、
この2枚はコンデジ(DSC-HX5V)によるもの。ブレてスピード感が出てるかな(^^;
運営側では、選手たちのために写真撮影してくれるとありがたいと言っていたが・・・ 屋内スポーツ撮影向きの機材さえあれば、、、
デジイチ+白レンズを持て余しているお父さんがた、名乗り出てみてはどうだろう。
車イスによる競技を観るのは初めてだったが、これはもっとたくさんの人に見せたいと思った。
そしてそれ以上に今回、ウィルチェアーラグビーを観て単純に「面白そう」、「やってみたい」と思った。健常者が混ざっても良いのではないかと思ってしまったのだ・・・
もちろん、あんな高度なレベルでの試合をしたい(できる)というわけではなく・・・ 気楽に「楽しむ」レベルから、競技として「きわめる」レベルまで、そして障害のある人もない人も、そんな「ワク」や「カベ」をとり払える可能性を感じる、深いポテンシャルを秘めた競技に思えた。車イスというエレメントが、障害者にはプラスに、健常者にはマイナスに働き、互いにシームレスに対峙できる気がしたのだ、、、
(12/19追記:健常者も参加というのは、言われなくとも各チームの体験会や練習ではすでに行われているようだ。)
こんなことを思うのは、自分が「車輪の付いた乗り物」に深い思い入れがあるからかもしれないが。ちょっと歩くとすぐ、足の下に車輪があれば・・・ と思ってしまう。
そんな気持ちと車イスが結び付いたのは、2009年の国際ロボット展で「吉田いす」の電動車いす、「レカロ 4x4+2」を見た時からか、、、
怒る方もいるかもしれないが、健常者が車イス(もしくはその派生形、電動だっていい・・・)ににじり寄る。自分との間に線をひき、同情したり感嘆するのではなく、「共に楽しむ」新しいスタイルが生まれるのではないか、と・・・
今年のオリンピック、陸上では義足のオスカー・ピストリウス選手のオリンピック・パラリンピック両方の出場により、健常者と障害者の区別が怪しくなり出した。なら、もっと身近なところでも、そんな流れが始まっているはず。(ちなみにウィルチェアーラグビー日本代表は、ロンドンパラリンピック4位とのこと。今さらながら観たい・・・)
実は世の中のすべてのものはボーダーレス、シームレスに向かって変わり始めている。学問も人とのつながりも、拡大、拡散しきって収縮の過程に転じているのだと思う。
思えばバリアフリーなどへ興味を持つに至り、『車いすの旅人が行く! 「心のバリアフリー」を求めて日本縦断』を読んだころから2年以上が経っている?
最近は電動車イスもよく見かけるようになり、たまに歩いていて抜かれることもあり、秋葉ではキャタピラ式の車イスの走行テストを見かけるこがある。そしてきぼーるのビジネス支援センターでたまたま見つけた車イスの老舗、オーエックスエンジニアリングのカタログを意味なく眺めたりもする・・・
これらのこと、ゆくゆくはひとつに融合して意味をなす日が来るのだろうか、、、