千葉市民の日 千葉市美術館と千葉市科学館 (10/18) |
●千葉市科学館 プラネタリウム 『星空散歩』 および常設展
10/18は千葉市民の日。市の美術館や博物館、動物園などの公共施設が無料となる。施設によっては、18日だけでなく他の土日など何日か無料公開日がある。(美術館は18日のみ無料。)
せっかく(?)平日に仕事もないし、土日の無料デーより空いているだろうから、ロケーションの近い美術館と科学館に行ってみた。
科学館常設展およびプラネタリウムは整理券を朝9時から配布とのこと。到着は昼過ぎだったので、もう無いかも、と思っていたがさすがに平日、午後のどの時間帯でも整理券は余っているようだった。
実は自分はプラネタリウム初体験。オーソドックスでベタなプログラムが観たかったので、16:20開演の『星空散歩』の回の整理券をもらい、カミさんの用を足しにPARCOへ行った後、美術館へ。
写真は美術館建物内に保存されている「さや堂ホール」。もともとは昭和2年に建てられた旧川崎銀行千葉支店。
行われていた展覧会は、 『ブラティスラヴァ世界絵本原画展』。分かったのは、絵本って何でもアリの世界だけど、それゆえ嗜好が合わなければ何も感じないってこと(^^;
特別展示は『日本のしかけ絵本』。こちらの方が、自分には面白かった。
「とびだす絵本」の原型は、すでに大正時代にできていたということも驚くが、なにより驚きだったのは、その大正時代の絵本のイラストと印刷技術の完成度だ。
手塚治虫などのマンガキャラのベースは、この時代にすでにかなりの完成度でできあがっていたらしい、ということに今さらながら気付いた。少年・少女のキャラクターが、カワイイのだ。とても古臭いとは思えない。それは、東寺の帝釈天や、興福寺の阿修羅像と同様、現代のセンスに通ずるものだ。
それがなぜか、印刷や製本など他の技術が進化するにつれ、イラストの根本的クオリティが下降していくように見えるのは気のせいか? いや、たしかに「多様化」は認めるが、、、
「こんな時代からこんな技術が!?」と自分を驚かせてくれた他の場所としては、江戸東京博物館があった。江戸時代の印刷技術は自分の想像をはるかに超えていた。
波のように寄せては返すさまざまな分野の技術進歩、そして退化。絵本原画展でもスロヴァキアの絵本技術について同じようなことが語られていた。実に面白い。
つづいて、千葉市科学館のプラネタリウムへ。写真は以前使われていた投影機。
少し早く到着したら、館内を観てお待ちくださいとのこと。プラネタリウムと常設展の区切りはなかった。
一日に一回しかない「星空散歩」だが、平日の夕方だからか、けっこう空席があった。
先ずは他のプログラムの宣伝から。「いきものがたり」の見どころが上映されたが、視界いっぱいの巨大画面で画像が上下に移動すると、もう脳内パニック。全身から発汗するほどの不快感(^^;
横移動なら問題ないのだが・・・ ジェットコースターなどが苦手な方は要注意だ。もちろん「星空散歩」ではそのような心配はいらない。
座席は、天頂から前面まで楽に見ることができるように後ろの方に陣取ったものの、どのみち真後ろの映像を見るには振り返らないとならなかった。
ただ、やはり心地よいゆったりしたコンテンツは、ちょっと眠気との戦いになるかもしれない(^^;
内容は断片的にしか覚えられるものではないが、科学館の役割はあくまで興味を喚起することだろう。自分の場合偶然にも、帰ってから図書館で借りている『四季の星座 見つけ方と楽しみ方』という本で復習できた。
常設展示は夜7時までということで、せっかくなのでざっと流してきた。
全体的に施設の新しさ、キレイさには驚いた。
とりわけテクノエリアの「機械と技術」の展示はかなりカッコイイ。
トランスミッションの展示など、ハード的には非常に良く「再現」されている。
しかし、ソフト的にはどうだろうか・・・
「カッコイイ」けど、「分からない」のだ。
これだけの「見た目」のクオリティ、、、 とてももったいない気がする・・・
「興味を喚起する」という目的に徹するなら仕方ないが、それでリピーターは訪れるか?
「分かる!」がないとしても、最低限「おもしろい!」が必要だ・・・
写真はストロボの発光間隔で、回転するカキワリが面白いことになる展示だが、これは本当に面白い(^^
面白いだけに欲求が湧いてくる。もっといろんな人たちがいたらな~・・・ もっと別の動きも見たいな~・・・
いや、展示の趣旨から外れていることは十分分かっている。それでも、「面白度合い」が印象に残る度合いに影響する。それが「キッカケ」としての効果をも左右する、と自分は思う。
結局、ソフトをどう煮詰めるかが今の科学館の最重要課題だと思う。
ホームページでも、子どもの教育用コンテンツでも同じだが、見かけをいくら飾っても本当の効果は望めない。
今回久しぶりに科学館を訪れて、こういった展示においては、ハードを作る会社がムリしてソフトも抱き合わせで作ってしまうところに問題があるような気がした。
最後まで目を輝かせて見終えることができる、そして「もう一回」ボタンを押してしまう「シナリオ」が必要だ、、、
本当はロボットに関する展示に期待して足を踏み入れたが、ほとんど見当たらない、、、
これからのことを考えると、これだけ力を入れた自動車に関する展示も数年のうち過去のものとなりそう・・・
今後は「ロボット」(特にホビーロボット)と「電気自動車」、「電動アシスト付き自転車」、「自然エネルギー」などの展示を増やしていくのだろうか、、、
千葉市民の日の無料公開についてさらっと書くつもりが、昔、全国の科学館などの展示物製作に携わっていた経歴故、ついつい熱くなってしまった(^^;
財政難からか以前は無料だった千葉市の公共施設、いつの間にやらどれも300円という料金を取っていることを改めて知った。であるならばますます改善の努力をすべきだし、これだけのハードがあれば可能性は無限だと思う。
もう何年も訪れていない県立現代産業科学館などにも行ってみようか・・・ こちらも無料から300円になっている、、、