スーパープレゼンテーション「奇跡の体験を語る」 |
最近、貴重になった「欠かさず観る番組」のひとつ、『スーパープレゼンテーション』。
英語学習のくだりは不必要とも思うが、プレゼン内容に毎回期待している。
プレゼン自体は数年前のものであったり、今回の放送はそもそも4月に放送済みのもののようだが、自分にとって、その内容があまりに興味深いものだったので、メモに残すことにした。
----- <番組内容および詳細(「NHKネットクラブ」より)> -----
いま全世界が注目するアメリカのイベント、TED。素晴らしい未来を切り開こうとするイノベーターたちのプレゼンを通し、その驚きの発想とプレゼンの極意を英語で学ぶ。
脳科学者ジル・ボルティ・テイラー博士による圧倒的なプレゼンを聞く。
テイラーは、脳卒中の発作により自分の脳の機能が少しずつ失われていくという体験をする。テイラーは科学者ならではの精神で、その事態に立ち向かおうとする。脳の機能が停止していく過程を、つぶさに記録・観察し始める。その結果テイラーが見たものとは? 体験者だけが語り得る感動のプレゼン。
【出演】ジル・ボルティ・テイラー【ナビゲーター】伊藤穰一
----- <サマリー(NHK 番組HPより)> -----
人間の脳は、右脳と左脳の二つに分かれている。右脳がイメージや感覚的な理解に優れている一方で、左脳は自意識や論理的思考、そして言語機能を司っている。1996年のある朝、テイラー博士は脳卒中に襲われる。左脳の血管が破裂し、徐々にその機能が失われていくのを、博士は科学者ならではの視点で観察する。そして、左脳が機能不全になることにより、右脳が作り出す幸福感に満ちた世界を体験する。その体験から、人間は右脳の世界をもっと探求すべきだとメッセージする。
----- <感想> -----
こ、これは、、、
日ごろ少なからず「瞑想」などをしている輩(自分も(^^;)は、涙無くして観れるのだろうか、、、
本当に右脳と左脳にそれほどまでに明確な働きの差があるのか、左脳の働きに問題が生じていながら、その時の状況をそれほどはっきり思い出すことができるのか、多少疑問も感じるが、そんなことはどーでもいー! ・・・と言い放ってこの「プレゼン自体」を「受け入れたい」。
ここで語られる「右脳の世界」は、短絡的に言えば「あの世」だ。
だが、死なずとも本来、「あの世」を観ずることはできるはず。
現代の人間は、「区別」することでしか、事象を判断できなくなっている。
「科」学、組織、国、家族、男女、人間と動物、自然、宗教(宗派)・・・ だが、本来世界自体には「区切り」などない。 ・・・それが「胎蔵」ではなかろうか。
本来の世界の姿を「そのままに」観ずることができなくなっている現代人は、知らない世界ということで「あの世」と呼ぶのだろう、、、
テイラー博士のプレゼンでは、右脳でのみ世界を観れば「自分」と「他」との区別が認識できなくなるというのだ。この時の感覚の描写は、「マトリックス レボリューションズ」で失明したネオが心の眼で見る世界であり、「納棺夫日記」で死期間近の人間に見えた「生命」に近いのだと思う。
そもそも、「科学」的にももはや、分子レベルで自他の境などないのだ・・・
そして、「すべてのすべて」と一体化したとき、当然ながら不安や恐怖はなくなり、絶対的な恍惚感を味わえるという。
私たちはまさに、その境地に至りたく「瞑想」をする。左脳に偏りすぎたことを自覚し、バランスを取ろうとしているのか・・・
だが区別も必要だ。何ごとも、「こっちだけでOK」ということはない。たぶん、「この世」では、、、
だから、「胎蔵」と「金剛界」の両方が必要なのだろう。
しかし、ビッグバン以来、細分化の一途をたどり、気付けばこんなアンバランスな世界になってしまった・・・ というのはたぶん20世紀までの話だ。
21世紀になり、とことん拡がり散り散りになったものは、少しずつ横に手を取り合って結び付き始めている。(そして、結び付くことを拒む極端なものは、淘汰され始めている・・・)
感動の涙とともに、そんなとりとめない考えがうず巻き、再び忘れかけていたさまざまなことを想い出させてくれる、すばらしいプレゼンだった、、、
そしてプレゼン後の、いつもはクールな感じの伊藤氏のコメントが、今回に限り妙に熱かったのもより感動を引き立てた。
願わくば、こういう番組をよりたくさんの人に観てほしいと思うのだが・・・
世界人類が平和でありますように