あまちゃん (クライマックス) / 天魔さんがゆく (第9話) |
連続テレビ小説『あまちゃん』は、クドカンマジック炸裂の、なんとも言えないドラマだった。
何度見ても後から後から湧いてくるような小ネタ、戦隊シリーズを超えるテンポ、スピード感で常習性が強く、まさに中毒のごとく、放送日に休みで家にいるときなど、地上波とBSの複数の放送時間をハシゴして1日4回観ることも多々。
普通に感動させられることはちょいちょいあったが、自分でもちょっと意外なところで感動させられたところをメモっておく・・・
第22週は、この物語の核心と思えるママ(春子)の歌がらみのエピソードが大きな盛り上がりと共に区切りを迎える。果たせなかった歌手デビューの夢、その当事者3人それぞれの心のわだかまりが解け、ラストへのより大きな期待と共に、いよいよ震災当日を迎えてしまう緊張感と、あの日のリアルな記憶を伴う何とも言えない感情に包まれつつ、来週の予告が始まる・・・
その週の予告(KYON2ナレ)は、明らかにそれまでとは異質だった。
予告にそんなことを予想してないから、完全にハマった。
それは 突然やってきました。
(地元に帰る者 都会に残る者 東京が地元なのに田舎に向かう者
それぞれの気持ちが分かるから 皆笑顔で送り出すのです)
(↑ にカブせて)
もっと早く帰ってくればよかった
町は閑散としています
お前は、どうしたいんだ?
道のりは長(なげ)え
でもやらねばなんねぇ
・・・ そして 2011年の夏が始まりました! (← 一転して明るく)
・・・ この予告、泣けます、、、
第23週は地震から始まる。そして、東京の人々と被災地の人々の温度差をまじまじと見せてくれる。
その中でも特に印象的だったのは地震の後、帰宅難民の群れと共に歩きながら、アキからユイへの電話がやっとつながったときの会話。
アキは、明日行われるはずだったライブのことをこう伝える。
「中止でねくて 延期だから。
必ず やるから おいでよ。」
(一方、ユイは・・・)
「中止だよ。」
「え?」
「延期じゃなくて 中止。
もう行けない。
怖くて行けない。
(泣きながら)
アキちゃんが来てよ。」
「ユイちゃん・・・。」
「道が無くなってたの。
線路が 途中で終わってたの。
ごめん 電池切れそう。」
(と言って電話を切る・・・)
でも、当然ながらアキはあっという間に「東京の空気」から抜け出していくわけだが、、、
震災後、被災地のさまざまな報道特集、ドキュメンタリー番組などを観てきたが、さまざまな番組の中で『あまちゃん』が最も多くの人々に被災地のいろいろなことを伝えた、最も影響力のあった番組となってしまったのではなかろうか。そういった意味では、クドカンに敬意を表せずにはいられない。
第24週では、女優、鈴鹿ひろ美が「1984年で時間が止まっている」部屋、ママ(春子)の部屋に入って当時の春子を想像し、しみじみと想いを馳せて言う。以下、アキとの会話。
「ねえ 明日から この部屋 使っていいかしら?」
「じぇ! 鈴鹿さんが?」
「うん 気持ち つくるには もってこいだわ!」
「いいけど 狭いでしょう ホテルさでも 泊まったら?」
(満面の笑みで部屋を見回しながら)
「いいの ここでいいの。
ううん ここがいいの!」
(言いながらベッドに仰向けに横たわり、とても楽しそうに天井を見つめ、部屋を見回す・・・)
なぜだろう、このシーンに異様に感動してしまった。クドカンの脚本には思わぬところで泣かされることが多い。
今この部屋にいない春子を、その少女時代を女優の鈴鹿ひろ美が想っていること、そして2人の言葉に出来ない関係性(「友情」ともちょっと違う)が胸を熱くするのか・・・
自分的には主役はKYON2で、薬師丸ひろ子が出るシーンで作品が締まっていて、この2人のエピソードが主軸であり、切なく、特に2人揃ってのシーンなど、切ないに次ぐ切ないなのだ、、、
昔観たクドカン脚本の映画『ゼブラーマン』では、息子のための貯金でこっそりバイクを買おうとするシーンで、
「ごめんな。ヒーローにはバイクが必要なんだ。」というような(記憶あやふや・・・)セリフで涙させられたのを思い出す(^^;
この勢いで、昔録った『吾輩は主婦である』でも観始めようか、なんて思っている・・・
さて、こんな話の後に書くべきか、、、(^^; だが、次は笑いすぎて号泣したもの。
今さらだが、『天魔さんがゆく』 第9話「団地霊は恋の香り」で、、、
依頼人の長身イケメン、加瀬に一目惚れした旭が、散歩に出ようと玄関から出たところで、鼻くそをほじりまがら階段を上がってくる加瀬とはち合わせ。
ショックを受け立ちすくむ旭が、その場で妄想した以下のシーンは、加瀬役の川久保拓司さんの熱演ぶりもあって、近年まれに見る大爆笑を誘われ笑いコントロール不能、「どうたんだろう、涙が止まりませんよ♪」状態に(^^;
ぅん~っ! んん~っ!
(右手、左手と交互に鼻くそミサイルを放ちながら)
俺は 鼻くそを
そこかしこに 飛ばしまくる男
人呼んで 鼻くそミサイルマン加瀬ッ!
んん~っ!
(両手から鼻くそミサイルを放つ)
俺の鼻くそミサイルが 当たったヤツは皆
鼻くそを ほじりたくなるのだ!
ガッハッハ! ガッハハッハッ!
そして たまに・・・
自ら 食べる!
(両手人差し指を口に含む
その後も右手、左手と交互に口へ)
俺は成人男性が 1日に必要な栄養素を
(両手人差し指を次々と口へ運びながら)
すべて鼻くそから 摂取しているのだ!
ィアッハハッ! アァハッハッ! アァハッハッ!
(両手同時鼻くそミサイル)
イエ~イ!
(両手同時鼻くそミサイル)
エ~~イッ!! フゥ~ゥ (どや顔)
(妄想から解けて走り出す旭)
「イヤ・・・ そんなのイヤだ!」
「岡崎さん!」
「ヤダ~ッ!
鼻くそミサイルマンなんて ヤダ~ッ!」
(すべり台に座る天魔の向こうを全力で走り抜けていく旭・・・)
こんなに笑ったのは、まさに「腹を抱えて」笑ったのは何年ぶりだろうか。いや、そもそもそんなに笑うところなのだろうか(^^;
これもたぶん、加瀬役の川久保拓司さんのみならず、旭役の川口春奈さんの熱演のたまものなのだろう、、、
いやー、苦しかった(^^;